SEOの理解を助けてくれる「検索品質者評価ガイドライン」
Googleが公開している「Search Quality Rater(Evaluator) Guidelines(検索品質評価者ガイドライン)」は、Googleがどのようなコンテンツを高く評価し検索結果の上位に表示するのか理解するのに、非常に重要な資料です。SEOを実施するにあたって、このガイドラインを理解しておくことは大きな価値があると言えるでしょう。
そもそも「検索品質評価者ガイドライン」とは何のために存在するのか?
Googleはユーザーにとって検索の利便性を高めるために、年間数千件にもおよぶ改善を行っています。またそれにあたって外部の検索品質評価者から、検索結果の品質に対するフィードバックを得ていますが、彼らが検索結果の精度について適切な評価ができるように、評価の指針や例を明示した「検索品質評価者ガイドライン」が公開されているというわけです。
Googleがこの「検索品質評価者ガイドライン」で明記している「ページ品質評価:最も重要な要素」や「高品質ページの特徴」などを理解しておくことで、「ユーザーにとって利便性が高いWebサイト」、そして「Googleから高評価されるWebサイト」を構築・運用することができれば、SEOの精度を高めることができます。
今後、このブログで数回に渡り「検索品質評価者ガイドライン」について翻訳しながら重要なポイントを解説していきます。
「検索品質評価者ガイドライン」の構成
「検索品質評価者ガイドライン」は、大きく見ると以下の6つで構成されており、特にパート1〜パート3の3つのセクションが中心となっています。
- General Guidelines Overview
(ガイドライン概要)/P5 - Introduction to Search Quality Rating
(検索品質評価ガイドラインプログラムへようこそ!)/P6〜7 - Part 1: Page Quality Rating Guideline
(パート1:ページ品質評価ガイドライン)/P8〜65 - Part 2: Understanding Mobile User Needs
(パート2:モバイルユーザーのニーズの理解)/P66〜85 - Part 3: Needs Met Rating Guideline
(パート3:ニーズ一致評価ガイドライン)/P86〜161 - Appendix: Using the Evaluation Platform
(付録:評価プラットフォームの使用)/P162〜P168
General Guidelines OverviewとIntroduction to Search Quality Ratingは、検索品質評価についての解説
以下の、P5〜7の「General Guidelines Overview(ガイドライン概要)」と「Welcome to the Search Quality Rating Program!(検索品質評価ガイドラインプログラムへようこそ!)」は、検索品質評価者向けに、「検索品質評価の目的」や「ブラウザ環境」などが示されており、SEOを考える上で特に重要ではないため、読み飛ばしても問題ないでしょう。こちらの部分は各項目の見出しタイトルだけ掲載し、本文の翻訳は載せないこととします。
General Guidelines Overview(ガイドライン概要)
Introduction to Search Quality Rating(検索品質評価とは)
0.0 The Search Experience(検索体験)
0.1 The Purpose of Search Quality Rating(検索品質評価の目的)
0.2 Raters Must Represent People in their Rating Locale(評価するローケルの代表者になるということ)
0.3 Browser Requirements(ブラウザ環境)
0.4 Ad Blocking Extensions(広告ブロック拡張機能)
0.5 Internet Safety Information(インターネットの安全性に関する情報)
Google Search Quality Rater Guidelines(Google検索品質評価者ガイドライン)
Part 1: Page Quality Rating Guideline(パート1:ページ品質評価ガイドライン)
1.0 Introduction to Page Quality Rating(ページ品質評価について)
このセクションも「ガイドライン概要」などと同様にページ品質評価の概要ですので、SEOの観点から言えば、読み飛ばしても構わないでしょう。翻訳は以下のとおりです。
A Page Quality (PQ) rating task consists of a URL and a grid to record your observations, in order to guide your exploration of the landing page and the website associated with the URL. Ultimately, the goal of Page Quality rating is to evaluate how well the page achieves its purpose. Because different types of websites and webpages can have very different purposes, our expectations and standards for different types of pages are also different.
ページ品質(PQ)評価タスクごとに、URLと評価内容を記すためのグリッドが用意してあります。そのURLとグリッドを用いることで、URLに紐づけられたランディングページとウェブサイトを確認しやすくなっています。ページ品質評価のねらいは、あるページがその目的をどれ程よく達成できているかを評価することです。ウェブサイトやウェブページによって目的が異なるため、評価基準もページの種類によって異なります。Here’s what you’ll need to be a successful Page Quality rater:
優れたページ品質評価者になるためには、以下のことが大切です。●Your experience using the web as an ordinary user in your rating locale.
評価ロケールにおいて、一般ユーザーとしてのウェブ利用経験があること。●In-depth knowledge of these guidelines.
本ガイドラインをよく理解していること。●And most importantly—practice doing PQ rating tasks!
そして特に、ページ品質評価タスクを繰り返しおこない練習すること!The examples in these guidelines are very important. Please view each one and keep in mind the following notes:
本ガイドラインに掲載されている事例はとても重要です。以下のことを意識しながら、一つずつ確認してください。● Webpages and websites change rapidly, so we use images or “snapshots” of webpages in most of our examples.
ウェブページとウェブサイトの内容はよく変わります。そのためほとんどの事例にウェブページの画像や「スナップショット」が添付されています。●The information in the examples was accurate at the time it was added, but content and websites may change over time.
事例の情報は事例が掲載された時のものであり、掲載後にコンテンツやウェブサイトが変わっている場合があります。●Some examples show pages on desktop and some show pages on mobile devices.
Google Search Quality Rater Guidelines(Google検索品質評価者ガイドライン)
パソコン版の事例とモバイル版の事例があります。!
2.0 Undestanding Webpages and Websites(ウェブページとウェブサイトの理解)
このセクションもイントロダクションです。SEOの観点からは特に重要ではありません。
PQ rating requires an in-depth understanding of websites. We’ll start with the basics. Along the way, we’ll share important information about Page Quality rating, so please read through this section even if you are a website expert!
Google Search Quality Rater Guidelines(Google検索品質評価者ガイドライン)
PQ評価を行うには、ウェブサイトをよく理解していることが重要です。まずは基本からはじめましょう。それから徐々に、ページ品質評価についての重要な点が示されていきますので、ウェブサイトに詳しくても、必ずこのセクションを読んでください。
2.1 Important Definitions(重要な用語の定義)
このセクションでは、「検索品質評価者ガイドライン」を読んでいくにあたっての、一般的な用語について、定義・解説されています。「検索エンジン」、「ユーザー」、「ウェブページ」、「URL」、「ウェブサイトまたはサイト」、「ホームページ」、「サブページ」、「ウェブマスター」についての定義が記されていますので、これらの定義が怪しい場合は、ざっと復習してみてください。日本人の場合、「ホームページ」を「ウェブサイト」と同義で使用することが多いため、この点だけは注意して正しい定義を確認しておきましょう。
Here are some important definitions:
重要な用語は以下のとおりです。A search engine is a tool to help people find or interact with content available on the Internet.
検索エンジンとは、人々がインターネット上にあるコンテンツを探すときに、サポートするツールです。In these guidelines, the word “user” refers to a person trying to find information or accomplish a task on the Internet. Keep in mind that users are people from many different backgrounds, whose experiences and needs may differ from your own: people of all ages, genders, races, religions, political affiliations, etc.
本ガイドラインでは、「ユーザー」とは、インターネットで情報を検索したり、何らかのタスクを実行する人のことを指します。意識してもらいたいことは、ユーザーはそれぞれ異なるバックグラウンドを持っているので、経験もニーズも評価者のものとは異なる可能性があるということです。つまりユーザーは、年齢や性別、人種、宗教、政治観などが異なる人々ということです。A webpage is connected to the World Wide Web and can be viewed or “visited” using a web browser (e.g., Chrome), a browser on your phone, or a search app. In the 1990s, webpage content was mostly text and links. Today, webpage content includes many forms of media (such as images, videos, etc.) and functionality (such as online shopping features, email, calculator functionality, online games, etc.).
ウェブページとは、ワールド・ワイド・ウェブに接続していて、Chromeなどのブラウザや検索アプリを利用することで、閲覧したり「訪問」したりできるものです。1990年代は、ウェブページのコンテンツは主に文章とリンクのみでした。今では、ウェブページのコンテンツは、画像や動画などのメディアをはじめ、オンラインショッピング、電子メール、計算機、オンラインゲームなどの機能といった様々なものがあります。A URL is a character string that your web browser uses to “find” and display a webpage. Page Quality rating doesn’t require you to have in-depth understanding of the structure of URLs, i.e., you don’t need to know the difference between host, domain, etc. But if you are interested, see here to read more.
URLとは、ブラウザがウェブページを「発見」し、表示するために利用する文字列のことです。ページ品質評価では、URLの構造に関する深い理解は必要ありません。ホストやドメインなどの違いを知らなくても結構です。もしURLの構造について興味があればこちらをご参照ください。A website or site is a group of World Wide Web pages usually containing hyperlinks to each other and made available online by an individual, company, educational institution, government, or organization. Popular websites include Facebook, Wikipedia, Yahoo, YouTube, etc.
ウェブサイト、またはサイトとは、ワールド・ワイド・ウェブページの集合体で、通常はサイト間を行き来できるハイパーリンクを含んでいます。個人や企業、教育機関、政府、組織などがオンライン上で公開しています。Facebook, Wikipedia, Yahoo, YouTubeなどは人気のウェブサイトです。Note: In these guidelines, we will use the word “website” to refer to a collection of pages owned and controlled by a single entity (individual, business, etc.). But we will also use “website” to refer to major “independent” sections (or hosts) of some websites that were created to achieve separate purposes. For example, the Yahoo website is organized into different sections (or hosts), such as Yahoo Finance (finance.yahoo.com), Yahoo Mail (mail.yahoo.com), Yahoo Sports (sports.yahoo.com), etc. Each of these has its own purpose. It’s OK to refer to each of these sections as a website; for example, the Yahoo Finance website and the Yahoo Sports website. You may also refer to pages on Yahoo Finance or Yahoo Sports as belonging to the Yahoo website.
注意:本ガイドラインでは、「ウェブサイト」とは、個人や企業などの単体が所有し管理するページのことを指します。ただし、ウェブサイト内に個別の目的を持つ「独立した」セクション(またはホスト)があれば、そのセクションのことを「ウェブサイト」と呼ぶ場合もあります。例えば、Yahooのウェブサイトは、Yahooファイナンス(finance.yahoo.com)、Yahooメール(mail.yahoo.com)、 Yahooスポーツ (sports.yahoo.com)などのたくさんのセクション(またはホスト)で構成されています。それぞれのセクションごとで、ページの目的が違います。こういったセクションを、例えばYahooファイナンスウェブサイト、Yahooスポーツウェブサイト、という様にウェブサイトと表現しても構いません。もしくは、YahooファイナンスやYahooスポーツのページを、Yahooウェブイトに属するものとして扱うことも可能です。A homepage of a website is the main page of the site. It is usually the first page that users see when the site loads. For example, http://www.apple.com is the homepage of the Apple site, http://www.yahoo.com is the homepage of the Yahoo company site, and http://finance.yahoo.com is the homepage of Yahoo Finance. You can usually find the homepage of a website by clicking on a “home” link or logo link on subpages of a website.
ウェブサイトのホームページとは、サイトのメインページのことです。大抵は、ユーザーがサイトを読み込んだときに最初に表示されるページです。例えば、 http://www.apple.com はアップルのホームページで、 http://www.yahoo.com はYahooのホームページ、そして http://finance.yahoo.com はYahooファイナンスのホームページです。通常は、ウェブサイトのサブページにある「ホーム」リンクやロゴをクリックすると、ホームページを見つけられます。A subpage on a website is any page on the site other than the homepage. For example, http://www.apple.com/iphone is a subpage on the Apple website, and http://finance.yahoo.com/options is a subpage on the Yahoo Finance website.
ウェブサイトのサブページとは、サイトのホームページ以外の全てのページのことです。例えば、http://www.apple.com/iphone はアップルサイトのサブページで、http://finance.yahoo.com/options はYahooファイナンサイトのサブページです。A webmaster is the person who is responsible for maintaining a website.
ウェブマスターとは、ウェブサイトを管理する責任者のことです。Important: You must be very comfortable exploring websites, both by clicking links and modifying URLs in the address bar of your web browser. Become a website detective and explorer!
重要:リンクをクリックしたり、URLを書き換えたりしながら、様々なウェブサイトを閲覧することに慣れてください。ウェブサイトの探偵、探検家になりましょう!
Google Search Quality Rater Guidelines(Google検索品質評価者ガイドライン)
次は、「2.2 What is the Purpose of a Webpage?(ウェブページの目的とは?)」ですが、ここから非常に重要になるため、次回のブログで解説したいと思います。
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