Google Japan Blogによると、Googleは6月28日、長崎市の端島(通称:軍艦島)のストリートビューを公開した。
軍艦島はかつては海底炭鉱によって大きく発展し東京以上の人口密度を有していたが、閉山とともに島民が離れ、現在は無人島となっている。
軍艦島の一部は上陸が認められているが、建物の老朽化などで危険があるため立ち入りは制限されている。しかし今回Googleは長崎市の協力を得て、立ち入り禁止区域も含め島全体を撮影した。
撮影にはバックパック型の撮影機材トレッカーを用い、約2時間ほど島内を歩いて撮影がおこなわれたようだ。
ストリートビュー撮影のようすが公開されている。
また、無人となった集合住宅内は360°のパノラマで見渡すことができる「おみせフォト」の機材で撮影しており、残された靴などの日用品や崩れた壁など、軍艦島の独特の雰囲気を感じることができる。
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軍艦島は、その特徴的な外見や歴史的背景などから観光スポットとして人気を博しており、また大正から昭和に至る集合住宅の遺構としても注目されている。
実際、端島炭坑を含む、九州・山口各県の近代化遺産からなる「九州・山口近代化産業遺産群」が、ユネスコの世界遺産暫定リストに登録された。長崎でも長崎近代化遺産研究会などが立ちあげられており、軍艦島を含む産業遺産は今後ますます注目されていくだろう。
また、ソニーは、今年の4月にアクションカムを搭載したラジコンヘリで軍艦島を撮影した映像を公開しており、3ヶ月間で70万の視聴を獲得している。
こうしたデジタルアーカイブを通して、軍艦島を含む近代化遺産の今の姿が残され、未来の世代にも伝わっていくことだろう。