もし私が「どうやったら企業はWebマーケティングを成功させることができるのか?」と問われれば、数多くのクライアントのコンサルティング経験を元に、まずはじめにウェブ担当者とチームの大切さを語ることになる。
どんなにサイトを素晴らしいものにリニューアルしても、Facebookページを作っても、Twitterにアカウントをとっても、それがウェブ担当者とチームによって適切に運営されなければ、はっきり言って成功するわけがない。
そこで今日は、ウェブ担当者は普段どのような点を心がけておくべきなのか、ウェブ担当者に不可欠な資質としてお話ししたい。もちろん、この場合の資質というものは育てることができるし、一人で満たすものではなくチームでカバーしてもいいということを付け加えておこう。
できるウェブ担当者は、PDCAサイクルを回せる。
まず第一にできるウェブ担当者はPDCAサイクルをまわすことができるという点を挙げておこう。PDCAとはつまり「Plan(計画) → Do(実行) → Check(評価) → Act(改善)」で、これを絶え間なく行うことが重要である。
例えば、サイトへの月間訪問者数を倍にするための手法を検討し、計画を立て(P)、その計画を実行する(D)。実際にそれによりサイトの訪問者数は倍になったのかをアクセスログ解析で確認し(C)、もし達成できていなかったとしたらその原因を考え改善する(A)。こういったPDCAを絶えず意識しているかどうかは何よりも重要で、単にサイトやブログを更新しているだけではいいウェブ担当者とはいえない。
できるウェブ担当者は、コミュニティマネジャーである。
次にコミュニティマネジャーという役割をしっかりと担えるということを挙げておきたい。FacebookやTwitterというのはコミュニティである。そこにいるファンやユーザーとの対話を重ね、エンゲージメントを高めることで、実際の問い合わせや購入に導いたり、コンテンツのシェアを誘発することもウェブ担当者の大切な役割だ。
エンゲージメントの重要性についてはFacebookページのファン数増加!エンゲージメントを高める10の投稿戦略もぜひ参考にしてほしい。
できるウェブ担当者は、コンテンツクリエイターである。
FacebookやTwitterのユーザー数拡大にともなって、ウェブコンテンツがシェアされる機会も拡大している。良質なコンテンツを定期的にリリースすれば、そのたびにシェアされ、サイトへの訪問者も増える。また、蓄積された大量のコンテンツは、GoogleやYahoo!を使った検索で表示される機会を増やし、訪問者の獲得に大きく貢献してくれるだろう。そしてそれに加えて、素晴らしいコンテンツというのは読者からの信頼を獲得し、企業の商品やサービスが売れる機会を拡大するということもポイントだ。
もしあなたのライバルが優秀なコンテンツクリエイターを抱えていて、あなたの会社にコンテンツクリエイターがいないとすれば、ソーシャルメディアでの影響力も、検索サイトでの順位においても脅威に立たされているといって間違いない。今すぐコンテンツクリエイターを育成するか、採用の検討を行おう。
コンテンツの重要性については、顧客が集まるインバウンドマーケティング3つのポイントやインバウンドマーケティングでコンテンツから顧客を引き出す3つのステップに詳しく書いてある。また、コンテンツの作り方については読者の信頼を勝ち取れ!読んでもらえるブログ記事を書くための12のポイントも参考になるだろう。
できるウェブ担当者は、イベンターである。
「ウェブ上だけの関係」が「リアルで繋がりのある関係」よりもあなたに大きな力を与えてくれる、ということはまずないと言っていい。あなたに強力な力を与えてくれるウェブによる人間関係というのは、ウェブをきっかけにリアルで会った場合か、リアルの関係をウェブで補完している場合のみである。
そこでできる限り多くの人たちとリアルで出会える機会を作ることが重要だ。イベントを企画して多くの人たちとの出会いを作り出そう。セミナーや勉強会はもちろんのこと、飲み会などのちょっとしたものでも構わない。定期的に行うことが重要だ。
できるウェブ担当者は、デザインが持つ力を知っている。
デザインはコンテンツを見ている人の心を踊らせたり、信頼を引き出す力を持っている。また、デザインは企業・ブランド・商品・サービスに対するイメージと密接に結びついており、ないがしろに出来ない事項だ。
特に、モノが飽和した現代においては、機能がいいことは当たり前になっており、機能が何ら差別化、選択要因にならないわけで、そういう場合は特にデザインによって積極的にウォンツを引き出すことが選択要因や利益率に大きく関係するのだ。
ウェブ担当者とデザインについていえば、素晴らしいデザインのサイトが、ウェブ担当者のデザインに対する見識の低さのために崩れていくのを見るのはなんとも言えない気持ちになる。ウェブ担当者はデザインについて考え、学ぶべきだ。自らブランドイメージを落とすような行為をしないように細心の注意を払わなければならない。そして自分の力でカバーできない場合は外部のデザイナーやフォトグラファーなどの力を借りるという選択を恐れてはいけない。
できるウェブ担当者は、ウェブ上のニーズを、商品・サービス開発チームにフィードバックできる。
サイトへの新規訪問者数を拡大しても、サイトの成約率を上げたとしても、そこに売れる商品・サービスがなければ意味が無い。リピーターも生まれず、いずれは先細りになる運命だ。だからこそ、ウェブ担当者は商品・サービスの開発・改善に関わるべきだ。
ウェブで何が流行っているのか、どこがどういうものをネットでよく売っているのか、ソーシャルメディアなどで商品・サービスについてどのような会話が繰り広げられているのかをしっかりと拾って、商品・サービス開発チームに積極的にフィードバックできるウェブ担当者が必要だ。組織もそういう役割をウェブ担当者に与えるようにしよう。
まとめ
初めにも書いたがウェブ担当者一人で上記6つをカバーしなければいけないということではない。複数人のチームでカバーしていけばいいのだ。場合によっては、そこに外部のウェブコンサルタントやデザイナーなどが関わるのもいい。当社もそうやって今まで多くのプロジェクトに関わり、Webマーケティングの経験を蓄積して、新しいクライアントにその経験とノウハウを投入している。あなたにとっても経験豊かな外部の専門化を加えることは、成功までの時間を短縮するきっかけになるだろう。
もしあなたが考えるウェブ担当者に必要な資質というのがあれば、ぜひコメントでみんなに共有してほしい。